小説

伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2006/02/01メディア: 文庫購入: 22人 クリック: 348回この商品を含むブログ (613件) を見るついでなので原作の方も紹介。それぞれにちょっとした特殊能力をもった四…

須賀しのぶ『ブラック・ベルベット 神が見棄てた土地と黒き聖女』

ブラック・ベルベット―神が見棄てた土地と黒き聖女 (コバルト文庫)作者: 須賀しのぶ,梶原にき出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/02メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (24件) を見る最近読んだ小説でいちばん面白かったのがこれ。 須賀し…

福野礼一郎『バンザイラン』

80年代初頭、東名高速で実際に行われていたという(ホンマかいな)チューンドカーによる無法レースを題材とした小説。主人公は借金して手に入れた中古のフェラーリ365GT4/BBで王者小田島のポルシェ911ターボに挑むが、スペックでは劣るはずのポルシェにあっ…

ボストン・テラン『神は銃弾』

略してかみじゅ。ウソです。 海外のノワール小説の中ではかなり評判がいいようだったので読んでみたのだけど、うーん……なんだかなあ。 解説で「ミステリファンのみならず広く純文学ファンにもお薦めしたい」とか書かれてて、確かにそんな感じではある。そこ…

ジョン・リドリー『地獄じゃどいつもタバコを喫う』

そろそろラノベ以外にも手を伸ばしてみる。 ちょっとした行き違いからオタカラを巡ってわけのわからん殺し合いが起こるとゆー、映画じゃ割とよくあるお話だが、殺伐とした軽妙さが俺好みでけっこう楽しめた。作者は脚本家上がりらしいが、こーいういろんな人…

片山憲太郎『紅』

あー、しまった。読み間違えた。なんだこのファウスト系は。 出来がどうあれ、俺が読むようなもんじゃないなあ。 てゆーか俺、このテのイラストに弱すぎか?紅 (紅シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)作者: 片山憲太郎,山本ヤマト出版社/メーカー: 集英社発売…

小川一水『ファイナルシーカー レスキューウイングス』

アニメ版見て「こーいうのは小川一水に書かせればいいのにな」と思ったら小説版をやっていたとは。ストーリーもキャラも別物のようですが。 でーまあ確かにディテールはアニメ版に比べて格段に良いのだけど、やっぱドラマはちょっと弱いかなあ。なんかバラバ…

豪屋大介『A君(17)の戦争』9巻

いつもどおりには面白いのだけど、なんとも中途半端だな。本来ならワルキュラ攻防戦編上・中・下とでもされるべきところの中巻なわけだからしょうがないんだろうが。それを一冊でまとめて書けとか言ったらこの人の場合どんだけかかるかわかんないし。いや量…

神坂一『スレイヤーズすぺしゃる25 騎士道のススメ』

なんとなく懐かしくなって買ってみた。 すぺしゃるは5巻くらいまで買ってたんだっけかなあ。昔はほとんど1話完結型だったはずだけど、今は基本的に2回で1エピソードが完結する形になってんのね。まあ毎月1コずつネタ消費してたらさすがにここまで保たないん…

賀東招二/きぬたさとし『ドラグネット・ミラージュ』

篠六のイラスト目当てで買ってみたがなかなかまっとうなバディもの刑事アクションで意外と佳作。主人公は陸自上がりのハードボイルドな刑事で相棒はおファンタジア世界からやってきたツンデレお姫様騎士とムチャクチャな取り合わせなようだがこれがけっこう…

豪屋大介『デビル17 1巻 みなごろしの学園』

一見『A君の戦争(17)』とは真逆だけど、「欲望充足のための商品」としての役割をこれでもかってくらい果たしておいたうえで、さてそこから何ができる?と踏み込んでいくという方法論はまったく同じ、なのだろう。これは変に言い訳くさいストイシズムに走るよ…

古橋秀之『IX』

武侠小説、かな。いちおう設定上は架空世界のようだけど。 アクションの描写能力がすごい。香港時代劇映画的な複雑でスピーディでリズミカルな剣闘アクションをちゃんと文字で表現してる。すごいすごい。IX(ノウェム) (電撃文庫)作者: 古橋秀之,松竜出版社/…

鷹見一幸『小さな国の救世主 なりゆき軍師の巻』

舞台がおファンタジア世界ではなく中央アジアであることを除けばやってるこた『A君の戦争(17)』とほぼ同じで、なおかつ内容的には向こうの方が遥かにマシ。何の取り柄もない日本人の男の子が戦場で活躍するには奇策を巡らすしかないってのは当然だけど、その…

J.K.ローリング『ハリー・ポッターと賢者の石』

ホグワーツに行くまでがちょっとたるいけど、キャラクターも学校生活の描写もそれなりに魅力的だし、ストーリーもそれなりにちゃんと考えてある。でもこれだけ熱狂的な人気があるってのは、俺にはちょっとよく分からないなあ。ライトノベルとして見れば、一…

浜崎達也『絶対少年―妖精たちの都市 横浜』

田菜編は不登校少年の話だったけど、今度の主人公は不登校少女。 不器用なガキどもの一方通行ばっかりな人間関係はあいかわらず面白い。でも成長物語としてはぜんぜん機能してないと思う。 つーかマテリアルフェアリーつーのはあれ、物語上なんの意味がある…

沖方丁『蒼穹のファフナー』

俺はアニメ版の方をまったく見てないのだけど、この小説版の第1〜2章をそのまま映像化できていたのなら、ロボットアニメ史に残る傑作になっていたのではないだろうか。まあそれほどいい評判を聞かないところからすると、そうなってはいないのだろうけど。沖…

鷹見一幸『ガンズ・ハート 硝煙の誇り』

立直一発ツモドラドラ。素晴らしい。小説を読んでこんなに気持ちよく笑えたのは何年ぶりだろう。 イラストだけ見るとまるで『キノの旅』みたいだが、それに反して物語全体に流れているのはあふれんばかりの男気。と言っても任侠モノやヤンキーモノみたいなそ…

萩原規子『空色勾玉』

日本神話をモチーフにしたファンタジー小説。かなり少女漫画っぽい。いや少女小説っぽいと言うべきなのかもしれんが、少女小説ってほとんど読んだことないもんで。 ファンタジー小説のよいところは、個々のキャラクターのもつ高い象徴性によって非常にコント…

浜崎達也『.hack// AI Buster』

MMO的なリアリティは『スラムオンライン』なんかよりもよっぽどある。プレイヤー視点と開発者視点を織り交ぜることで、ゲーム内設定としてのではなくゲームそのものにまつわる「神話」を成立させているあたりはけっこういい。 ただ、デバッグするためにGMが…

川上稔『パンツァーポリス1935』

なんかすげー古い感じのするライトノベルだな。97年にしてもこのセンスは古いんじゃないか。でもブギーポップ以前ってこんな感じだったかもしれんな。 ライトスタッフモノとでも言えばいいのか、このテの「宇宙をめざすぜ」モノってなんかビミョー。それ自体…

成田良悟『バッカーノ!』

大恐慌下のニューヨークを舞台にチンピラどもが右往左往しさまざまな物語が交錯しながらも最後にはキレイにオチがつくというガイ・リッチー的はっちゃけアクション小説。馬鹿騒ぎ気分が爽快爽快。ひゃっほう。バッカーノ!―The Rolling Bootlegs (電撃文庫)作…

浜崎達也『絶対少年―妖精たちの夏 田菜』

ちょっと不思議田舎ノスタルジー小説。略してイリヤ系。 そつなくよく出来てる。 セカイだなんだって大仰に構える必要はないけど日常をふと違う視点から眺められる瞬間ってのは思春期にはやっぱり必要で、問題はその危うい地点から「あちら側」に転がり落ち…

桜坂洋『ALL YOU NEED IS KILL』

死んでも死んでも死ぬ一日前に戻ってしまう不思議空間に迷い込んだ兵隊さんの話。 読めば一目瞭然だが、ゲームについての物語。クリアまたはハッピーエンドにたどり着けず、正統な物語と認められなかった無数のプレイへの鎮魂歌。 そう理解して自分のゲーム…

船戸与一『血と夢』

アフガニスタンを舞台としたスパイ小説。国際謀略モノとしては設定が陳腐であまり面白くないが、終盤になって登場人物が一人また一人と、勇壮さとはまったく無縁に死んでいく様は、寂寥感にあふれててけっこうステキ。 現代を舞台に小林源文的な世界を描くと…

桜坂洋『スラムオンライン』

オタクのゲーム話をちゃんと聞いてくれるようなメガネっ娘は邪険にしちゃいけないよって話。まあそんなメガネっ娘がそうそういるかよってのはともかくとして、たしかに大事なことである。スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800))作者: 桜坂洋,toi8出版社/…

日日日『狂乱家族日記 壱さつめ』

とりあえずキャラ紹介の巻って感じなので、これだけだとなんとも。狂乱家族日記壱さつめ (ファミ通文庫)作者: 日日日,x6suke出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2005/06/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 84回この商品を含むブログ (191件) を見る

豪屋大介『A君(17)の戦争』8巻

今回の名言。 「いまどきSF研に入るのは1945年4月のベルリンでナチ党に入党するのと同じです!」 そーなのかー。 それはそうと、イラストを全面刷新した新装版が出た様子。伊東岳彦のイラストの方が、「おファンタジア」な世界観への皮肉が利いてて面白かっ…