川上稔『パンツァーポリス1935』

なんかすげー古い感じのするライトノベルだな。97年にしてもこのセンスは古いんじゃないか。でもブギーポップ以前ってこんな感じだったかもしれんな。
ライトスタッフモノとでも言えばいいのか、このテの「宇宙をめざすぜ」モノってなんかビミョー。それ自体があまりにパブリックなロマンすぎてさ。ロマンティックなSFファンって「宇宙をめざすぜ」って言っただけで目がうるうるしちゃうでしょ。そういう中で「夢を追うこととそれによって失われるものを巡る葛藤」とかやってもどうも緊張感がない。それは『猫の地球儀』とか『プラネテス』なんかにも感じることだけど。
あとやたら丁寧口調で皮肉屋の優男主人公ウゼェ。このあたりも古く感じる一因。