船戸与一『血と夢』

アフガニスタンを舞台としたスパイ小説。国際謀略モノとしては設定が陳腐であまり面白くないが、終盤になって登場人物が一人また一人と、勇壮さとはまったく無縁に死んでいく様は、寂寥感にあふれててけっこうステキ。
現代を舞台に小林源文的な世界を描くとしたら、やっぱりイスラムゲリラを主人公にするのが一番合うんじゃないかと思う。

血と夢 (講談社文庫)

血と夢 (講談社文庫)