『涼宮ハルヒの憂鬱』

俺は最近このテの学園ラブコメに対しては割と冷淡になってきてるし、原作も一巻だけ読んで「なんじゃこりゃ」と思ってそれ以降は読んでいない。にもかかわらずアニメ版は飽きずに最後まで見れてしまったので、やはり面白いのだと思う。
原作の一巻がつまらなかったのは、その中で描かれている学園ラブコメ的な世界がちっとも魅力的に感じられなくて、最後で「俺はやっぱりこの世界が好きだぜ」みたいなことを言われてもさっぱり感銘を得られなかったせいなのだが、このアニメ版の世界はけっこう楽しかったので最後のオチもそれほど違和感なく見れた。
ただ、まあ、それは選択のハードルが極めて低いからだって気もするんだけど。あんな不気味でなんだか分からない新世界に比べたら、かわいい女の子たちに囲まれた今までどおりの生活をとりあえずは選ぶよなあ。


それはそれで青春ドラマとして手堅くまとまってるんで文句をつける筋合いのことではない。でもなあ、正直言っちゃうと、もうちょっと違う物語を期待してた。ハルヒの抱える「憂鬱」に期待してた。フツーの学校生活に適応できなくて鬱屈を持て余してる女の子って萌えるじゃん。でもハルヒって本質的に不適合者じゃないんだよね。ちょっとひねくれてるだけで、気の持ちよう次第でフツーに楽しく生きていける。憂鬱とか言うほどじゃない。それがなんかね。
俺は、ドン・キホーテ的に徹底的に現実からズレた女の子の方が萌えるんだよな。そーいうのにサンチョ・パンサ的に引っ張りまわされるのって萌えね? いや現実にそんな女の子がいたら近寄りたくもないが、妄想と現実は別腹だから。
もちろん「いやこれはもともとそういう物語じゃないですから」って言われればまったくそのとおりなんですが。
分かってはいるさ。分かってはいるけどさ!