『陽気なギャングが地球を回す』

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すでに原作を読んだ人が見ても楽しめるようにということなんだろうが、原作のプロットをさらに一ひねりしていて、それが原作の「美しい」といっていいほどの構成の完成度を損なってしまっている。ひねりすぎてわけわからん。
キャスト的には、響野役の佐藤浩市が素晴らしい。強盗に入った先で人質に向かって延々と演説を繰り広げるというステキなキャラクターなんだが、こういうおかしなキャラをやらせるとこの人はほんと面白いな。
雪子と久遠もそこそこハマっててよかったんだけど、問題は成瀬。原作では子持ちの冴えない中年男なのに、なんで大沢たかおなんだ? 原作にはなかった雪子とのロマンスとかも中途半端で余計なだけだし。映画としての華やかさを出したかったんだろうけどそれで大沢たかおってのはどーなのよ。
まあ原作が面白いのでそこそこには楽しめるが、日本では珍しい「ポップなアクション映画」を作れる題材だっただけに、この完成度は残念。