『トム・ヤム・クン!』

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マッハ!!!!!!!!』チームの新作。前作は仏像を取り戻す話だったが、今回は象を取り戻す話。
『七人のマッハ!!!!!!!』に比べるときちんと映画としての焦点が絞れており、トニー・ジャーの格闘アクションもあいかわらず人間離れしていて素晴らしいのだが、まるで自主制作映画みたいな野放図な勢いが感じられた『マッハ!!!!!!!!』に比べると、妙に小奇麗にまとまってしまった感じがした。
その理由は、かなりの部分がオーストラリアロケで撮影されて点にあるのだろう。おそらくスタッフもかなりの部分がオーストラリアのスタッフだと思う。それだけに作り込みはしっかりしてるのだが、前作の「ケガ人が出ようが死人が出ようが構うもんか。俺たちゃこの映画で一発当てたるんじゃ!」といった、一昔前の香港映画みたいな野蛮さが薄れてしまっている。舞台としてもシドニーって街は、こういう泥臭いアクションをやるにはちょっとキレイすぎる。
最近のオーストラリアはかなりアジア系移民がかなり増えてるらしいので、その市場を狙った作品なのかもしれない(たぶんそっち方面の資本も入ってるんだろう)けど、「タイ映画」を見たかったこちらとしてはちょっと肩透かしだった。