安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』6〜11巻

しばらく追っかけてなかったので例によって漫画喫茶でまとめ読み。
ジャブロー戦まで行ったあと時間を10年ほど巻き戻してジオン・ダイクンの死からの歴史を延々と描いているのだが、これがもう革命ロマン炸裂で素晴らしい。さすがは全共闘崩れ。
崇高かつファナティックなジオンの革命が、民衆の熱狂とザビ家の陰謀、ミノフスキー博士やテム・レイらの野心をも巻き込んで、「戦争」という制御不能な巨大なメールシュトロームを生み出していく過程が、すさまじいダイナミズムをもって描かれていく。
そのあたりの感覚は『王道の狗』や『虹色のトロッキー』のもつそれとまったく同じで、これがまぎれもなく安彦漫画であることを感じさせてくれる。
このパートの主人公はランバ・ラルと言っていいだろう。武人の誇りと革命の理想への憧れを抱きつつ、時勢に翻弄されて屈折を余儀なくされるってあたりもまさしく安彦漫画的だ。
兵隊やくざ」とか呼ばれてる黒い三連星、粗暴なんだけどピュアでどっか憎めないドズル閣下もステキ。そしてなんつーてもハモンさん萌え。こーいう「酒場にいるイイ女」ってあの世代のロマンなんだろうなあ。『紅の豚』的。この愛すべき連中を片っ端からブチ殺していくアムロはひどいヤツだ。


連載の方ではルウム戦役に突入した模様。やっぱこの作品はちゃんと追っかけよう。